深山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『福住』、『埴生』を参照いただくようお願いいたします。

2004. 6.27.  日曜日  小雨後晴れ  気温蒸し暑い
北摂深山は遠くから見ても笹原のこんもりとしたピークをしており、いかにもMTBで遊べそうな 山容で是非とも訪れてみたい山でした。誰もが行くルートとしては天王から瑠璃渓へ抜ける途中に 二カ所の登り口がある。 一つは深山の頂上にある雨量観測所へ行く舗装の管理道。もう一つは熊笹の間をかき分けるようにある 登山道。いずれも南から登るようになっている。これをピストンだといかにも寂しいので、いっそ 深山から天引峠まで縦走してみたい気持ちになる。

しかし、そのコースで周回を考えると、天引峠からの帰路は天王峠を越えるか、あるいは天引林道で 瑠璃渓まで戻るかのどちらかです。なんちゃってMTBライダーの私としてはなんとか楽をしたい。 すると深山の北西にある八幡谷ダム付近に『ささやまの森公園』という施設が出来ているらしい。 さらにそこから深山に向かって登山道もあるという。ここを起点に周回すれば楽に出来そうです。

もう一つの問題。深山から天引峠へ縦走するためには、兵庫篠山と京都園部の境界尾根の状態が気に掛かります。 北摂の落ち武者こと新川氏に 電話すると最初否定的な返答であったが、この施設の存在を言うとさっそく探索に 行ってみるという。結果は深山から途中にある満燈山までは良い道が続いているということだった。 これに気をよくしてM氏と久々のMTB山行きです。

『ささやまの森公園』に着いたのは9時30分。用意をしているとポツポツと雨粒が落ちてくる。 最悪の場合は頂上、さらに天引峠までも行かずに途中の稜線だけを走ることになるかも・・・。 公園の施設はベージュの落ち着いた土壁の古民家風の建物でした。入口に公園内の散策路を示す地図があるが、 それには深山への登山道は書かれていません。職員の人に尋ねるとこの谷をまっすぐ進んでいくと標識があるという。 礼を述べて出発。
古民家風の施設モリアオガエルの卵塊を見る

八幡谷ダムへ注ぎ込んでいる小川沿いには舗装の林道が続いている。シンボルの森という地点には 多くの棚田跡が残っており、幹に注連縄のある樅の木もあったりして古い生活の跡が見て取れる。 そして小さな池があり看板通りにモリアオガエルの卵塊があった。

ゆるやかな谷道を想像していたが結構急な傾斜で早くも汗びっしょりになってくる。舗装の終点に着く。 正面には新しい木の階段がある(後でわかったが地図にない新しい散策路らしい)。この階段を上るのは間違い。 左手の小橋を渡ると木製の標識がある。その柱に新しく『深山→』と手書きの板が打ち付けられていた。 それに従って未舗装になった林道の続きを登っていく。ここからはもう乗れません。

林道終点からも標識は途切れることなくあるので迷うことはありません。雨は降っていませんが湿度が高いため 汗はドバドバ出ています。この苦しい表情を写真に撮ってもらおうとデジカメをM氏に渡しましたら 汗で手が滑ったのか、年の為に手が震えていたのか地面に落っことしてしまい、あわれ私のデジカメは その瞬間昇天してしまいました。(以降はM氏提供の写真です)

このまま能勢町・篠山の境界尾根まで一直線に登るのかと思いきや、稜線までもう少しというところから 右に巻き始める。それにしても最近造ったような道とは思えないし、昔からの山道だろうか? 目の前に大岩が現れる。立て札があり『扇岩』とあった。ここは絶好の撮影ポイントだがカメラが・・・・。
林道から山道になる乗越峠

いくつかの小さな流れを横断して『扇ナリ』という広い谷に出会う。周囲の雑木林がすばらしい。秋から初冬にかけて 訪れてみたい所です。やがて稜線鞍部が見えてきました。まばらに生えた笹原状のそこにも標識があります。 それには『乗越(のっこし)峠』とありました。10時35分。ということは、いままでの道はやはり昔からある峠道 だったと言うことでしょうか。正面を下ると能勢町の天王に降ります。

稜線の左右ともに木製の階段がある。右に行くとこれも地図にないが683から488ピークを経て巡視路で 公園に降りる散策路らしい(ここもひょっとしてMTB向きでないかい?)。 深山は左の階段を上っていくことになる。登りきったピークはガスに覆われていて暗くておまけに 小雨も降っている。なんのことはないピークなのだが大きな山名板が立っていた。 それには『兵庫・大阪・京都 三府県境 舩谷山(ふなたにやま) 標高730m』とあった。

確かに地形図には見事に三府県境になっています。別名をいうならさしずめ三国ヶ嶽となるでしょう。 道を見ると深山方向と天引峠方向の両方向にバッチリと道があります。雨が降っていますが せっかくここまで来たのですから深山頂上にも行ってみましょう。

小さなアップダウンを経て(往路はわりと乗れるが復路はもっと乗れます!!)雑木の尾根から熊笹の中に 突入!!向こうには頂上にある深山宮のご神体である大岩が見えます。しかしこの背丈ほどある 熊笹のおかげで全身ゴミと水滴でビショビショのドロドロになりました。11時10分。 標高791m。
頂上直下の熊笹藪深山宮のある頂上

振り返ると笹原の向こうは雑木の尾根が続いています。その向こうには丹波篠山の山々が見えるのでしょう。 ガスさえなければとんでもない展望が楽しめそうです。ご神体の岩の麓を回り込むと遙拝の広場を横切って 大鳥居、そしてパラボラドームの雨量観測施設がある。雨宿りにそこへ行くと先客がいた。ハイカーと オートバイのライダーの二人。ここで雨宿りをしながら食事をしようかと思ったが、M氏は あまり長居をしたくない様子。

あとで思い出したが新川情報によると深山山頂にはエコトイレがあるらしい。後学の為にも使用してみたかったが また今度だ。またぞろ熊笹の藪に突入しようとして周囲を見ると、なんと雲が切れつつある。 なんだか山頂を離れるのがもったいない感じ。再度熊笹でビショビショになり、その後快適に乗車して舩谷山へ。 いよいよここから天引峠へ縦走開始である。もし天気がさらに悪化するようだったらもちろん途中でエスケープです。
乗れまっせ!!どうでおます!!

舩谷山の次にあるCa.700mピークから左寄りに激下りの斜面となる。ここは乗れないのでMTBは担いで 降りるが雨で滑って危険です。M氏も尻餅転倒!!MTBでは転けないのに歩いていると転けてしまう とはこれいかに??しかしそれをクリアーすると526mピーク手前まで乗れ乗れです!! 写真を撮すのに止まるのがもったいないほどのシングルトラックです。

舩谷山から続くこの境界尾根上にも『ささやま森公園』の道標がいくつもあります。 ということはこの快適な尾根道もある程度整備された結果ということなのでしょう。 526ピークにはなにかが祀られていても不思議のないような大岩がある。それの下を右から回り込むと 小さな道標がある。正面に向かって『満燈山』、左には『雑木林の散策路』と書かれている。 つまりここが『ささやま森公園』への下山道です。12時。

こいつで公園まで下山なら快適に下って行けそうな雰囲気もありましたが、天引峠まで行きたい気持ちの方が 強くて『満燈山』を目指します。 ここからはオフィシャルコースでなくなるのでいきなり道は不明瞭。鹿避けネット沿いを担ぎ上げます。 正面のピークが満燈山なのでしょうが、道は左斜面を巻いています。どうやらこの道は巡視路で 満燈山左にある鉄塔へ向かっているようです。
満燈山。ここで食事峠手前、最後の鉄塔

満燈山直下の枝尾根に着きました。左は鉄塔、右は頂上。とりあえず頂上に行きましたが、 展望もない雑木の生い茂る面白くもない頂上だったがここで昼食にする(12時20分〜13時05分)。 無線で声を出すと結構強い波でOAPさんの声が入ってくる。聞いてみるとすぐ近くの弥十郎ヶ岳に登り始めよう としているところだった。(家に帰り満燈山をカシミールで見てみると『タキ谷』という山名になっていました)

食後鉄塔のあるところへ行ってみる。背丈以上の雑草が生えていて真下までも行くことが出来ないが 展望はけっこう良いものがある。北方向の山上に浮かぶように見えるゴルフ場は鳳鳴ゴルフ場かベル・グリーン ゴルフ場だろうか。カメラがあれば・・・・。

この鉄塔から公園に降りる巡視路はないようだ。しかし白いテープには『あかまつ林の散策路』と書かれていて、 その行く先を追いかけると斜面を強引に下っているようです。ということはなんとかそれで下山も可能のようです。 しかしM氏はなおも峠までの縦走を続けようと言う。

ここからは気を引き締めて行かねばなりません。思った通り乗れそうな雰囲気はありませんし、 よく地形図を見なければ迷いそうな分岐がいくつもあります。489mピークは左を巻いて、 509.9mの三角点ピーク『獄筋』(低山趣味という本では『高山』となっている)手前で巡視路に復帰する。 しかし倒木が多くてなかなか乗れない。 この辺り整備すれば極楽なんやけどなあ〜。『獄筋』も巻き道で三角点を見ることなくパス。

逆落としのプラ階段を過ぎると峠手前にある最後の鉄塔に着く。つづら折れの乗れない巡視路を クリアーし、最後は気持ちよく乗って峠に降り立つ。やった〜っ!!縦走達成!!14時05分。 しかし身体もMTBもドロドロですぅ。峠付近をうろつくと道路から見えにくい所に古い石仏がありました。 やはりここは昔からの峠道だったのです。がいつまでたっても自動車の通行がない。 公園へ戻るために篠山側へ下っていくと、なんとトンネルが出来ていてこの旧峠道はゲートで 車両が入れないようになっています。

あとは公園までサイクリングです。アクシデントはありましたが天気が良ければ深山の大展望も楽しめるし、 峠まで行かずに途中で下山すればMTBの乗車率も高いルートになります。 中級者以上の方にお勧めで〜す。

2013年現在、理由は不明ですが『ささやまの森公園』をMTBで走ると怒られます。

今回の深山の地図は こちら(約180k) でごらんください。


それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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