神池行者山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『市島』を参照していただくようお願いいたします。

2004. 5.29.  土曜日  曇り時々小雨  気温暑い
5月5日に登った戸平峠〜神池峠の下山後に 神池(みけ)集落のおばあさんと立ち話をしました。その会話の中で神池(かみいけ)の西にある山が 行者山だと教えてくれました。しかも参道は神池の湖畔から灯籠を目印に登れば良く、 山中(山頂?)には祠もあるという。その日に登った虚空蔵山には虚空蔵菩薩の石仏、天ヶ岳には行者の石仏 がありました。この行者山の祠には何があるでしょう?? (神池と書いて『みけ』、『かみいけ』、『じんち』と読み方が三つもあります。ややこしいねえ〜)

氷上町へ向かう途中でたぬきさんと携帯が繋がる。たぬきさんにとっては地元の山なので、 よそ者のやまあそごときに縄張りを荒らされてはかなわんと、お目付役でお付き合いいただく。 待ち合わせ場所に行くと慶佐次盛一氏の本を持ってこられていた。彼もこの山を登っているらしく、 それによると山頂にはあるのは祠跡らしきものだけらしい。おばあさんの言うことと違うので それの確認もぜひともしなくては!!

神池の縁にある舗装路を走っていくとすぐに灯籠を見つけてしまった。そこには参道らしき林道もある。 二台の車を留めるためにちょっと先にある広場まで行きそこで準備をして灯籠のある場所に引き返す。 9時ジャスト。
灯籠と林道を発見!!しかし・・・

灯籠の正面には『奉納 大峰山』裏には『大正十二年九月』そして寄進者の名前が連なっている。 「な〜るほど、そしてこれが参道やね」と林道を歩き始める。10分ほどで終点に なりました。その右手に踏み跡があります。参道にしては荒れていますが何の疑問も持たずにそっちへ入っていきます。

明確な踏み跡でしたが徐々に薄くなってきて小さな滝の前で終わってしまいました。 「あれ〜っ?おかしいなあ・・・」ちょっと引き返すと急な斜面に踏み跡があったので こんどはそっちへ登っていく。二人ともまだこれが参道だと思っていますが、 この上に炭焼き窯跡があったことから単なるソマ道だったとようやく気づく。
谷道は終わりを告げる

そうなるとあとは山の斜面をひたすらよじ登るだけである。各自好き勝手に よじ登りやすそうな所を選んで行く。時々大声でお互いの位置確認だけは怠らない。 大岩を私は右から、たぬきさんは左から回り込む。岩の上に出るとで赤いマーキング(山仕事用)が 現れて少し気が楽になる。その先にはさらに大きな岩があり、先ほどと同様に回り込んでその上に立つと・・・。
でっぱり岩からの小展望

電波塔のある高谷山(横峰山)は誰でもわかるランドマーク的存在です。左奥にある二つのピークを指さして 「あれは、鷹取山と五台山やね」あっさりと同定してしまうたぬきさん。 さすがに地元民。天気は雨になるという予報でしたがまだこの時点では晴れっぽい空模様です。

灌木は強烈に密集しているということもなく身体がなんとかすり抜けられる程度のヤブです。 赤いマーキングに沿って登るとナタで切り開かれた小さな踏み跡があり楽に登っていける。 そしてダイレクトに四等三角点のある行者山の頂上に出ました。9時55分。標高454m。 周囲は雑木と桧の植林で展望はありません。 地形図を見るとこの先が標高の最高点でフラットになっています。祠があるとしたらここより 向こうの方が確率が高いでしょう。
このヤブを登ると三角点

間伐された松や桧の枝が地面に散乱しているので歩きにくいこと!!つまづいて転ばないように 進んでいくと岩混じりの盛り土があった。てっぺんには赤いペンキが塗られたコンクリート杭がある。 どうやらこれが慶佐次盛一氏の言う祠跡らしいが大いにがっかりする。というのも、これが祠跡でないのは 素人が見てもわかるからだ。やっぱり本に書くようなことはしっかりと見極めてからにしてほしいものである。

途中で参道をロストしてしまったのだからえらそうなことは言えませんが 「たぬきさん、これぜったい祠と違うわ。山頂にはないけど、この山中のどっかにはあるはずや。」と私。 後日、たぬきさんが調べてくれたところによると、あの林道がそもそも間違いで、灯籠の裏手??付近から ほんとの参道があったらしい。ということは我々が展望を楽しんだ岩場の右下付近に祠があったのだろう。 祠のことを教えてくれたおばあさんの時代には女人禁制のお山だったらしい。
行者山最高点おっと!会館が見えるやん

460+mの最高点からは南へ向かって桧植林の斜面を急下りする。ここも間伐された枝などが足元が 見えないくらい散乱しているので転げないように注意する。降りたった鞍部には左右に道があった。 ここから春日町と市島町の境界尾根へ向かって登り返すことになる。楽勝に登れるだろうと 思っていたのに小うるさいヤブで案外手間取る。途中におやつタイムもあったりして 尾根に到着したのは10時50分。
境界尾根は極楽ロードだ

さすがに町境界の尾根だけあって快適そうな尾根である。ここから西に行くと2週間前に登った 妙高山である。我々は東に向かって 歩いていく。今までの難路がうそのように快適です。地形図にある春日町の上三井庄へ下る道、 さらに高谷四等三角点(309.3m)への道も確認。小雨が降ってきたが植林の尾根なので身体まで 届きません。

501ピーク手前にとんでもなく不思議な平地が広がっている。それまでが植林ばかりだったのに ここだけ雑木の林になっています。どうみてもなにかがあったように想像できます。 たぬきさんも同様の思いのようです。これで石垣跡とか礎石でもあれば間違いなく 神池寺の伽藍の一部だったと言えるでしょう。
謎の平地だ大谷の三角点

「もう少し先まで行ってみましょう」ということで三等三角点ピークの大谷まで やってきました。11時30分。標高470.0m。植林の中のピークです。 ここからさらに20分ほど行けば三春峠(その先は鹿倉山までも続いています)も可能だと思うがここでUターン。 引き返して501mピークから北へ下り、神池峠から下山する計画です。

さきほどの謎の平地が501mピークなのですが、この時点で大いなる勘違いをしていて その西にある『140』の番号のある標柱をそれと思いこんでいました。そこから 下山していくがなんだか様子がおかしい。途中で気が付くがずいぶんと下ってしまってます。 元に戻ろうとするがお腹が減っていて足元もフラフラだった。 かくして丸1時間ロスして謎の平地で遅い昼食を済ます。

行者堂も見つけられなかったし、下山の尾根も間違うしで今日は呪われた一日だった。 気を取り直して再度下山を試みる。下りはじめるとやはりここだという確信ができるほど よい踏み跡が続いている。倒木さえなければMTBで遊べるほど良い道です。
神池峠へ下っていく岩座の石仏に再訪

もう目の前が神池峠です。しかし峠からの下る道は途中から荒れているので、今回は谷と平行して 西に向かっている枝尾根で下ることにしました。伐採されて明るい尾根ですが、ここも 伐採された枝がうずたかく積もっています。「ここを下ったらドンピシャで石仏に出会えると 思うよ」その言葉通りに不動と地蔵の二体の石仏のある大岩に降り立ちました。 あとは林道歩きで池を北から回り込むと駐車した広場に出てこれます。

山中をうろついている時は強い風が吹いたり、小雨が何度か降ったりと不安定な天気で、 いつ本降りになるかと落ち着けませんでしたが今は晴れ間も見えています。 14時20分駐車の広場着。

今回の神池行者山の地図は こちら(約140k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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