三久安山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『音水』、『戸倉峠』を参照していただくようお願いいたします。

2003. 5. 3.  土曜日  晴れ  気温暑い
GWもいよいよ後半戦。この日はM氏と山に行く約束をしていました。「新緑のブナを見に行きたい なあ・・」というM氏のリクエストに応えるべくこの山を選ぶ。二人とも過去にそれぞれ単独で ここに登っています。その際のルートも溝谷から蓮花岩山林道を使うというまったく同じものです。ならば 今回は違ったルートで登ってみましょう。

一宮町から公文川沿いの県道を藤無峠に向かって北上します。溝谷分岐、志倉分岐を共にパスして 2.5kmほどで今回の登り口に使う林道分岐となる。この林道の入り口には古い墓石(江戸時代の たたら製鉄関係者?)と62林班という標識がある。この林道を詰めて三久安山に登り、北向けに 町界尾根を縦走、そして藤無峠へ下山という計画です。峠にMTBをデポしておけば 登山口に置いた車まで帰るのも楽ちんという寸法です。

まずは林道の状態を確かめるべく入り込んでみる。Sの字カーブの手前にスペースがあって、そこには 山菜取りに来ている家族がいた。ここをスタートにするのがよさそうだが、県道まで引き返して 峠にMTBを置きに行くのがなんだかおっくうになる。「峠まで行くのめんどくさいし、歩いて周回してしまいますぅ?」 どうやらM氏も同じ考えらしくて、この時点でMTBはお役ご免になる。 9時30分スタート。
林道を詰めていく

道幅は一車線だが路面はすこぶるフラットで普通車でも問題なく走れる。 S字のヘアピンをクリアーし次のコーナーが予定していた取り付き点。 この谷を詰めれば1012mピーク北にあるCa.945m鞍部に着くことができる。 駐車ポイントからもこの鞍部はよく見えていてブナ雑木の稜線であることも想像できる。 ところが林道からこの谷への道が見えない。すぐ先には滝もあるし、目の前には道の崩れたような 形跡もある。ひょっとしたら川の流れで切断されてしまったのかもしれない。

あっさりとあきらめて林道の終点まで行ってみようと言うことに。林道の終点は地形図通りの所で 終わっていた。そこからは植林帯のソマ道となる。植林斜面にわずかにある踏み跡をたどっていく。 そこ辺から『津山3号』とか『氷上・・・』とか書かれたプラスチックの札が地面に刺さっている。 想像するに、ここは植林に関する実験農場?のような所なのかもしれません。
ブナが出てきて稜線も間近だすばらしき稜線漫歩

道はもうありません。方向を確かめながら斜面を登っていく。傾斜はその角度を増していき、 まさしくよじ登るとはこのことだ。二人でヒーヒーと言いながらすでに汗びっしょり。 目線はついつい下の方を向きがちだが、見上げるとあこがれのブナの大木が見えはじめる。 やれやれようやく稜線だ。10時20分。 ここは1012mピークのすぐ南にあるCa.975m鞍部です。

ここから南に向かって30分ほど歩けば三久安山の頂上です。そしてその頂上までの稜線上にはすばらしい ブナの林が続きます。溝谷コースでもブナはありますが、こちらの方がはるかに規模が大きい。 薄い緑と真っ白なムシカリとのコントラストが何とも言えません。 ただ、残念なことに稜線西側の波賀町側はほとんど植林になっています。したがって視線を東寄りにして 歩きましょう。10時50分、標高1123.2m、なぜか真っ赤に塗られた三等三角点の頂上に着く。
頂上で一休みブナの見とれて思わず立ち止まる

枯れた笹が広がるまあまあの広さのある頂上です。西側は植林で視界ゼロ、東側はブナの向こうに 藤無山が見えます。昼食にはあまりに時間も早すぎるので私は無線で氷ノ山の登っている知り合いと交信し、 M氏は近くをうろうろと探索している。もしハイカーが来るとしたら南の方から来るであろうが やってくる気配はまったくない。「そろそろ峠に向かって行きますか!?」

自分たちの登ってきたCa.975m鞍部、1012mピーク、最初に登ろうと思っていたCa.945m鞍部を それぞれ通過する。この間ずーーーっとブナの稜線である。他の木では思わないのに、このブナの でっかい幹を見ているとなんだか抱きつきたくなる。西側はこれまたずーーーっと植林帯だが それが途切れる箇所があった。首を伸ばすと氷ノ山から三室山までの県境ピークが すべて見渡せる好ポイントだった。
植林のあいだから見えた西の展望

1067mピークで右に方向転換するが、その次のピークで昼食とする。12時10分。 ここから南東に延びている支尾根で下ると林道の入り口付近に降りられる。 三久安山から見ると尾根の途中が伐採されていたので辿ることは可能だろう。 M氏にそのことを告げるが予定通り峠まで行こうと言う。

食後は足も重たくなるものだが峠までは下りばかりなのでスイスイと歩ける。 突然伐採地跡に出る。かすみが無ければどれほどの展望があるかしれない。 「あれ、電波塔が見えるから暁晴山やな。そしたらあっちが千町が峰か・・・」 「あの藤無の頂上見てみ!あんなに近くに見えるわ」藤無山から真南には ルートがないのですが、ここから見る限りわずかの笹藪さえクリアーすれば 南進できそうです。これは今後期待できる課題ですね。
所々、笹もあるが支障なしでっかい、さるのこしかけ
峠手前の伐採地からの展望
今回のルートは 三久安山から1067mピークまではほぼ全域に渡ってブナの大木と出会えます。 そして伐採跡で最後の展望が楽しめる二段構えのルートとなりました。 伐採地先の鍵型クランクからちょっと笹藪がありますがピンポイントで 峠に降りることが出来ました。13時25分。 全体的に歩きやすかったのであんまり時間もかかりませんでしたね。 あとはのんびりと林道脇の山野草を写真に撮りながらデポ地まで歩きました。

今回の三久安山の地図は こちら(約120k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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