深山【夜久野町】

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『直見』を参照していただくようお願いいたします。

2003. 4.29.  火曜日  晴れ後曇り  気温風強し
低山徘徊のメンバーであるだめちゃんが関西に帰省してくるのでお手軽なオフを企画する。 さて、どこがいいかと考えたが春になったら再度訪れたい所を思い出した。 それがこの山である。以前富岡山からの縦走をしたことがあるが、富岡山自身植林の ピークでおもしろみがないこと。またそこへのルートがあまり一般的でないことから、その北にある 763mピークから縦走するショートコースを考えた。

去年の3月に現世の『緑の里交流センター』最上部にある東屋からこの763mピークまでの ルートを確認に来たことがある。今回はこのルートを利用するつもりだったが、交流センターから 東屋までがほとんど舗装路だったのが気に入らない。そこで行き当たりばったりではあるが、 現世のスキー場から登る計画を立てる。 集合時間よりちょっと早くにスキー場までやってきてふもとのおじさんに聞いてみると スキー場横の林道から東屋まで行けるそうだ。

夜久野ドライブインでみんなと合流してゲンゼスキー場を通り過ぎて天谷峠まで来る。ここにある 空き地にみんなの車を止めて、元に戻るように府道を歩き、スキー場横にある林道を 歩き始める。今シーズンはこのスキー場は営業をやっておらず、ゲレンデは畑になっている。 林道はゲレンデの左(北端)にありこれを詰めていく。
もう使われることはないのかな?ネット沿いの道になる

簡易舗装の林道はまっすぐに谷奥に向かって延びている。登りが急なのでとたんに汗が噴き出す。 メンバー11人は花を写真に撮ったりしながらそれぞれのペースで歩いている。 やがて鹿避けのネットが左手に現れて、それをぐるっと回り込むようにネット沿いの 道へと変化する。それは山腹をジグザグに付けられており、思ったより時間がかかる。

この道は谷一つ離れたところにある『緑の里交流センター』の施設も一部で、ネットに沿って 山腹をぐるっと周回できるようになっている。その内外はほとんどが自然林で 緑をくぐって降り注ぐ陽光がきもちよい。

ネットの中には本来害獣である野生の鹿を放っているとも聞く。電撃柵とネットの 二重に敷地を覆っているのはそのためらしい。タイミングがよければそれらの姿も見えるのでは と期待する。幾度か山腹を折り返しながらネットの最上部にあるきれいな東屋に到着する。
交流センター東屋763mピークへ激登り

思ったより時間もかかったし、ちょっと疲れたのでこの中で小憩。ここからは西方向に 鉄鈷山、岸山、そしてその稜線向こうに西床の尾のピークも見える。 交流センターからの舗装路もすぐ横手まで来ている。小屋の中でくつろぎモードが 長くなりそうだったので、身体が冷え切らない内にここをスタートしましょう。

ここからはきっちりとした道ではありませんが、下草のほとんどない雑木尾根は どこでも歩くことが出来ます。ただ、斜面が急なのでいきなりあえぐことになる。 そんな斜面でもいかりそうを見つけたのか、立ち止まって撮影モードに 入る人もいる。9時45分にスタートしてピークには12時10分に到着。
展望の763mピークで昼食

ここは東から南方向に開けていてそこそこの展望がある。ところがモヤがひどいので 遠望はほとんどだめな状態だった。(他にも青倉山、三国が岳、篠ヶ峰、岩屋山等々が見える) 晴れているが風が強くて汗で濡れたTシャツが一気に冷たくなる。各自座り込んでここで昼食にする。

ここからはほとんどアップダウンもなく北向けに縦走が出来る。 760.1mの三等三角点ピークは植林の中のピークでまったく展望はありません。 『居母山クラブ』のプレートには栗尾山とありましたが、国土地理院では点名栗尾、俗称ヲノジリ、 現世のおじさんはテッコウ山と言っていました。

【この東向かいにある稜線上には居母山があり、そこを拠点とした『居母山クラブ』という グループがつい2日ほど前にこの深山〜富岡山までのルートを整備してくれている。 登り口と下山路は共に直見側なのでどういう道かは試すことは出来なかったが、稜線上には 彼らの手によるいくつかのプレートがあった】
雑木の尾根を行く

763mからテッコウ山までは植林の尾根、そしてこの先から深山までは雑木の尾根と なります。それとともに足元にはイワカガミが現れ始める。小さく咲き始めたのを 見つけたはかがみ込んで撮影をするが、後には足の踏み場の無いほど出てくるので 焦ることはなかったようです。(^_^;)

西に床の尾三山を見ながら、雑木尾根の足元にはイワカガミ、目線を上にあげると ムシカリの白い花が咲きほこっている。そうこうしているうちに深山にたどり着いた。 ここは雑木ピークで展望無し。切り倒して残った小さな幹の断面にはマジックで『カメラ台 居母』 とあり、それを利用して集合写真を撮る。
深山先の県境ピークにて

深山の奥にある県境のピークが最後の展望地。空気さえ澄んでいれば日本海が見えるはず。 この境界を東に下れば小坂峠、西に下れば天谷峠となる。 駐車ポイントの天谷峠へ下ることになるのだが、はじめこそ踏み跡明確な境界だったが わかりにくいポイントに出会う。

そのまま気が付かずに歩いていると右寄りに下っていく。間違わないように するには左寄りに下るのがよろしい。すると氷河のカールのようにU字に大きく えぐれた谷の源頭に出る。この激斜面を下っていくのが正解です。
激斜面を下って・・・谷の源頭部を歩く

下草がなくどこでも下れます。しかし斜度はきつくて油断すると転がり落ちてしまうので 気を抜いては行けません。ついつい下ることばかりに気を取られてしまいますが、 振り返るとブナの新緑のすばらしさに足が止まってしまうこと間違いなし!! 名前のわからない野草も所々に咲いています。
この谷の主です

ここには炭焼きの跡もあるのでこの谷をそのまま下っても府道に出れそうだ。 が、適当なところから右の尾根に乗るのがよろしい。目安としてはこの谷一番の ブナの大木付近です。幹からいくつもの太い枝が伸びていて、その老齢な姿に 似合わずいまだに若葉を付けている。

尾根に乗るとアセビが尾根上を占領していてしばらくは歩きにくい。 やがてまた広くなって落ち葉ふさふさになる。標高490m付近が最後の迷いやすい ポイントだ。この付近にはまだミツバツツジがきれいに咲いている。周囲には 散ってしまっているのが多くあるので良い季節をねらえばツツジだらけまちがいなしだ。
白いイワカガミピンクのイワカガミ

この山域には年間を通じて何人のハイカーがやってくるのでしょうか? 来ても来なくてもこれらの花たちは毎年その季節になると咲いてくれます。 たまたまこの日を選んで登ったが幸いだったようだ。 今日いっしょに登ってくれたメンバーも満足してくれてうれしい。 14時50分峠着。

追記
この日に参加できなかった低山徘徊のメンバーからのリクエストで、5日後の5月4日に リターンズと銘打って再度同じコースを訪れた。 たった5日しかたってないのにイワカガミ、ムシカリ等はほとんど終わりかけていた。 ブナの新緑も心なしか深みを増しているように思えた。

そして同じピークで昼食していると 深山方向から笹倉さんがやってくるではありませんか!!聞くと 三谷山(小猿山)〜岸山〜鉄鈷山〜天谷峠〜深山〜テッコウ山〜富岡山と 単独での縦走途中と言うことであった。地形図を見てもらったらわかるがとんでもないコースで あることはまちがいない・・・。超人やあ!!

4月29日参加者: 貴公子さん、佐竹さん、藤本さん夫妻、ヒロさん、みやびさん、やまごさん、 萬屋さん、dameちゃん、GORYUさん
5月4日参加者:かねちゃん、是兼さん親子、たぬきさんご夫婦、OAPさん

今回の深山【夜久野町】の地図は こちら(約130k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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