居母山 その2

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『直見』を参照いただくようお願いいたします。

2003. 6.22.  日曜日  曇り  気温ふつう
梅雨のまっただ中ですが、前線は南に停滞しているので北に行けば雨に遭わずにすみそうです。ならば、先週行けなかった 夜久野町の居母山へMTB担いで登ってみましょう。私は前回2001年の9月に初めてここに来ましたが、 その時は『飛所』コースで登って頂上へ。頂上から乗れ乗れの尾根を南に下り、その途中から『月の小坂』コースで下りました。 その時に思ったのが、せっかく乗れ乗れの尾根なのだからこのまま行けるところまで行ってみたい・・・。 後に地形図で確認してみると、その尾根を南下し続けると途中には金谷峠と副谷峠の二つの峠が横切っています。 このどちらかで下山すれば得意の周回コースが設定できそうです。

氷上町経由、遠坂峠を越えて山東町、夜久野町へと車を進めます。峠から見える周囲はただ真っ白で、 雨の心配はないかもしれませんが展望はあまり期待できそうにありません。 通い慣れた夜久野町に入る。今までは気にしていなかったが今回は金谷峠と副谷峠を車中から探してみる。 するとどうだろう、副谷峠への旧道は林道化されているのか、山腹にのり面もくっきりと大きくうねっているのが見える。 金谷峠は道路からは見えないがどうやら旧道のままのように思えた。

大岶の公民館に車を止める。この公民館には『居母山クラブ』の手による釜風呂や、JRの貨車、 巨大なヒツジの像・・・・。さすがのM氏もあっけにとられていた。 ちょうど近所の人達が清掃作業中だったので駐車許可のことわりを入れる。 「自転車担いで登るんか!えらいたっしゃやのう。副谷峠か?あそこは新しい道が出来ているけど、 向こうの西の谷で一部が未完成のままで使えないんや・・・」旧道なればこそ行ってみたい気持ちもありますが、 林道ならばその気もちょっと失せますね。9時20分、公民館スタート。

いったん府道に出てあらためて桑谷の奥からある登山道を行きます。ここにも公民館はありますが、 ここをスタートにすると府道からの急坂を上りきらないとだめなので大岶スタートは良い選択です。 ゲート手前で出会ったおばさん達も我々を見てびっくりしてます。 ゲートを開いて薄暗い植林帯の林道を登っていきます。左手の谷川沿いには石垣の段々が延々と続いており、 今は杉が植わっていますが昔は棚田だったことがわかります。
飛所コースへの林道植林と雑木を繰り返す

『飛所』と『月の小坂』コース分岐に到着。前回同様にここは『飛所』コースを選ぶ。 乗って上がるにはちょっと辛い傾斜なので押しで歩きます。「長い林道やなあ・・・」と、M氏。 その林道も終わりになり、『飛所』コースの由来になっている小川を越えて山道となる。 ここにも大きな石垣が幾重にもありますが、建物でもあったのでしょうか? 植林帯の真ん中にまっすぐと延びる道をずんずんとM氏は先行しています。 大きく右に曲がりながらも標高を上げていき植林帯から雑木そしてまた植林帯に入る。 この辺りから道は大きくえぐれたボブスレーコースになる。 「ひゃ〜、ここダウンしたら気持ちええやろなあ」
赤矢印をちょっと行くと尾根。ここは高源寺跡

広く緩やかな斜面に出た。これを越えれば尾根に出る。足元はふさふさの落ち葉で、地面からわき出している水が 塩ビのパイプを通して流れ出ており、周囲にはやまぼうし、卯の花、たにうつぎなどが咲いていた。 「これってゼンマイやろか?それやったらすごい量やでぇ」M氏はお宝を見つけたように言うが、 「まさか、シダの一種でしょ。なんだったらかじってみたら?」とやり過ごす。 目の前に広がるその斜面は高源寺というお寺の跡らしい。そして尾根に到着。10時35分。

分岐になっていて左は居母山頂上、右手は月の小坂となっている。ああだこうだと騒いでいると頂上から 単独の男性が降りてきた。先客がいたとはちょっと驚きである。頂上は目と鼻の先である。右手の植林の中に 白い標識がボーっと浮かんでいる。それは居母山の東にある今里からのルート標識だと思う。 10時40分、標高730.6m、三等三角点。
頂上の風景1頂上の風景2

頂上にはトイレ、鐘のある山頂標識、そして植林の杉に手を加えた展望台がある。何も言わなくても M氏はさっそく展望台によじ登ろうとしている(ホント子供やね)。その後から私は大人の足取りで ゆっくりと登る。南方向はこれから向かう縦走尾根と林道ののり面が見えているは副谷峠付近であろう。 今回は粟鹿山もその付近の馴染みの山もガスのためにほとんど見えなかった。 ところが東から北方面にかけては下のようにわりと良い写真が撮れた。(西方向は展望がない)
東から北に向けての展望(依遅ヶ尾、金剛童子は肉眼では確認!!)
お昼にはまだまだなので頂上での昼食はあきらめるとして、周囲からガスが押し寄せてきて先ほどまで 見えていた展望どころか、数m先も白く隠し始めている。こうなったた尾根縦走の開始、いよいよMTBの出番である。 ガスで幻想的になった尾根をMTBで駈け下る様はなんともいえない快感です。 倒木もなくハイスピードで下れますが、もったいなにのでゆっくりと写真を撮りながら行ったり戻ったり・・・。 結局歩くより遅いんだなこれが・・・。(^_^;)
乗れ乗れの尾根1乗れ乗れの尾根2

ちょっと広くなった所で止まる。たしかこの辺から月の小坂ルートとして右手に下っている道が 在ったはず・・・・。尾根にはそれらしき標識はなかったが、右に歩いて見るとその先に標識と 道があった。前回の記憶があったからわかったものの初めての人はこのルートで下ろうとすると 見つけられないかも知れない。

ここから先は未知のルートとなるが予想したとおり気持ちよく下っていける。ガスが途切れてきて 視界がクリアーになってきたのがちょっと残念だった。どうせ展望のない尾根なのでこのまま 幻想的に霧の中を駆け抜ける方が面白いからだ。670mピークの次の分岐は左に行かないように注意。 右に下ってからもしばらくほとんど平坦で楽勝コースで楽しい。 次の注意ポイントは等高線600mの所です。

ここで左右に二手に分かれていますがここは左が正解。さっそく下ろうと思いましたが、時間も ちょうどお昼なのでここでご飯を食べることにします。本来なら景色の良いところで食べたいものですが しかたがありません。雑木に近い落ち葉の上に座ってパクつきます。コーヒーも飲んで分岐を左に降ります。 激下りをなんとかクリアーして20分ほどで金谷峠に降り立ちます。
切り通しの金谷峠を見下ろす金谷の集落へ下る

高い切り通しのその下には石仏をお祭りしている祠の屋根が見えています。そこへ回り込んで覗いてみると 丸彫りの地蔵菩薩立像でした。基台には『明治二十二年一月一日』と彫られています。 峠の中心より若干東よりにあるのでたぶん東に下った集落金尾のものと想像しましたら、 やはり横手には金尾の文字と世話人の名前が彫られている。ところが金尾への道は見える範囲で 倒木がありちょっと荒れている。

もっとビックリしたのはそこに手向けられていた花です。遅くとも昨日、あるいは今朝活けられたような 生花がきれいな花びらで咲いています。どちらの集落の人がお世話をしているのでしょうか? どちらにしてもこの峠まで登ってくること自体なかなかたいへんなことです。 ここから稜線を登り返せば副谷峠まで行けますが、そこからはダブルトラックの林道での下りと わかっているので二人ともさらに行こうとはしません。とりあえず金谷へ向かってダウンを開始する。

おおむね乗って下れる。そして集落も間もない林道との出合いにも石仏があった。 そこにも手向け花があったが、峠にあったものとまったく同じ花でした。 ということはこの金谷のどなたかが毎日のようにお参りしているということです。 金谷という地名から峠道の途中に鉱山跡のようなものがないかと期待もあったが 残念ながら発見は出来なかった。 砂防ダムから集落へ入り、府道から公民館へは13時15分到着だった。

今回の居母山の地図は こちら(約160k) でごらんください。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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