はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1 『大豆生』を参照いただくようお願いいたします。 2003.10.26. 日曜日 晴れ 気温ふつう
長年行きたくて夢見ていたルートです。人気の高い山域なのでハイカーとのトラブルを懸念して、なかなか
踏ん切りがつきませんでしたが紅葉のベストな時期も過ぎたことだし、M氏もめずらしく遠出にOKということで
ラストチャンス!行ってきました。もちろん初めての山域だったので、まずは無事に登山口までたどり着くか??
大又集落には9時頃に到着。薊岳の登山口である笹野神社付近には駐車出来るような所がない。明神平方向へ ちょっと行ったところにスペースがあったのでそこで準備をする。次々とマイカーに乗ったハイカー達がやってくるが、 そろって林道の終点へ向かっていて、ここから登ろうという人はいないみたいだ。MTBにまたがって笹野神社に戻ると、 偶然にも正面から貴公子さんの車がやってきた。彼は林道終点から明神平へ登るようだ。挨拶だけしてそのまま別れる。 神社石段の右横から薊岳への登山道があった。細い道をしばらく登り、このまま山道かと思ったらいきなり舗装路になる。 それは神社の上にある民家に続く道で、その民家横からエアリアマップにも載っている道となる。9時30分。 自転車の乗れない傾斜だったので押して歩く。寒いと思って着込んでいたが暑くて二人ともさっそく脱ぎ脱ぎタイム。
植林の中の道はただただ登る一辺倒。所々にある標識はどれを見ても『大鏡池』とだけあり、距離とか時間が書かれなく どれほど登ればいいのかいいかげんうんざりだ。エアリアを見ればいいのだがリュックに押し込んでいるので出すのがめんどくさい。 汗びっしょりで体内の塩基(カリウムやナトリウム)が一気に無くなるのがわかる。なんだか足が攣る予感・・・・。 道が深い溝状にえぐれていて、その縁を歩くがMTBが邪魔で歩きにくい。ヘロヘロで古池辻に10時20分。 こんどは岩がゴロゴロと露出した植林帯の登りだ。M氏に聞くと蛇紋岩だと言う。(ほんまかいな・・・) 「この道は大鏡神社への参道やな」と決め込むM氏。あとでわかったが麦谷の集落からも大鏡池に登る 登山道があるそうだ。たぶんこの辺りで合流していると思う。 上空をへりが飛んでいるのかローターの回転音がすごい。数分おきに近づいたり遠ざかったりしている。 伐採した吉野杉を近くの林道まで下ろしているのだろうか。その光景が見れたら面白いと思ったがとうとう 音だけでなにも見えずに通り過ぎる。攣り始めた足をかばいながら担ぎ続ける。 大鏡池付近に11時20分着。なんとエアリアのコースタイムより大幅に遅れている。M氏は池と大鏡神社を 探しに行ってしまった。私はその先のピークでおやつを食べる。この辺りから杉植林が姿を潜めブナを含む自然林が増えてくる。 無線機をつけるとおなじみの局が兵庫県朝来郡の山から出ていた。M氏が追いついてきた。聞いてみると池も神社もあったらしい。 ペースが遅いのと寄り道でいつのまにか12時を過ぎてしまった。小屋ノ尾頭付近でお昼にする。
頂上まであと少しだったので我慢して登るのも手だったが、ここで食事を済ませて足を休め、スタミナを 回復したのは正解だった。この後岩場の登りと下りが数カ所あり、食事前なら力も出せずに自転車もろとも 真っ逆さまに転落だったかもしれません。目の前には赤や黄色に色づいた薊岳がそびえています。 しかしエアリアは5万分の1の縮尺だから細かいアップダウンが読みとれなくて役に立ちません。 いつもの2.5万図でないとだめやね。
展望のない雌岳(この付近からシャクナゲの群落現れる)を通過して雄岳には13時20分着。 標高1406m、三角点なし。さすがにここからはすばらしい展望が楽しめるがモヤで遠望は無理だった。 よしんば見えてもこの山域には不案内なので何が何やらまったくわからない。 最終目的地の明神平も直接見えなくてその横手にある水無山で方向がわかる。
山頂にいたハイカーと少し話をしていよいよ明神平へ出発です。最初は細くて「こんなの危なくって 乗れないよ〜」とぼやいていましたが、途中からだんだんと尾根も広くなってきて 想像通りの極楽尾根となってくる。「これや!!これやがな!!」口が軽くなると足も軽くなる。
尾根の木々はすっかり葉も落ちてしまっていたが、その下の斜面を覗き込むとまだまだ色づきが 残っている。明神方向から薊に向かって10名ほどのグループがやってくる。 一応に「こんな所まで自転車でやってきたん?」と驚きの(あきれた??)声を上げる。 ちょうど乗れる箇所だったのでMTBの快適さをアピールしつつ別れる。
下るだけ下ってこんどは登りに転じる。正面の前山と呼ばれるピークを越えないと明神平へ 行くことは出来ない。このまま前山の山腹を巻く道があれば登らなくても明神平へ行くことが 出来るが、そんな都合の良い道はなかった。 きつそうな登り返しに見えた前山も実際はそれほどでもなくあっさりとピークに立てた。 14時25分。薊からちょうど1時間であった。 |
前山から見る。このまま明神平へも下れるが、三つ塚へ行く。 |
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正面には三つ塚への踏み跡。左手には水無山と新あしび山荘の建っている明神平。そのあいだに広がる
笹原は昔あったと聞くスキー場のゲレンデ跡だろうか。そのゲレンデにある尾根の上をハイカーが歩いている。
このままゲレンデ跡とダウンヒルしても面白かろうが、目の前にある三つ塚へ行くとあのハイカー達と
同じルートで明神平へ下れる。せっかくだから三つ塚へも寄ってみよう。
笹原には逆Uの字型の鉄パイプの柱が突き刺さっている。それにはワイヤーがかかり、地面には錆びたウインチが 放置されていた。「これってリフトの代わりにスキーヤーを引っ張り上げる施設やったんちゃうの?」と私。 「いいや、これは植林に使うもんや」と言い切るM氏。周囲には杉は植わってないけど・・・。 三つ塚は三叉路のピークである。右手は明神岳から池木屋山へ続く。時間がゆったりとあれば 桧塚奥峰まで行ってみたかった。(朝方出会った貴公子さんは明神平から桧塚奥峰へ行かれたようだ) 明神岩の横をすり抜けて下るが、露出した小岩につまずかないようにMTBをコントロールする。 最高に気持ちよく下りきるとそこは明神平の鞍部だった。14時40分。 ハイカーが二組草原にのんびりと座っている。天理大学の小屋はずいぶんとボロい。前山から見えていたのは 新設されたログハウスの新あしび山荘。こいつはきれいだ。その山荘前に東屋があったのでそこで二度目の コーヒータイムにする。携帯の伝言板を見るとついさきほどまで貴公子さんはここに居たようだ。 我々も貴公子さんの後を追うようにここから下って大又林道へ。
最初は適度な幅のシングルトラックがつづら折れに下っています。頭上にはまだまだ色づいた木々があり ついつい立ち止まる回数が多くなります。何度も写真を撮りあっているうちに後から下ってきた ハイカーにも抜かれる始末。 このままの状態が続けば万々歳だったのですが、途中(明神滝上部付近)からいきなり道悪になる。 下りにもかかわらず担ぎをしいられる。どこまで下るのか?と、いやになる頃、台風で大破したという 旧あしび山荘となる。その後も危なっかしい箇所(これでもだいぶん整備されていると思う)をクリアーして、 林道の終点に着く。16時。駐車場所まで10分かかりませんでした。MTBだもんね。 下るのにもけっこう時間がかかったが、ここにスキーに来た人は雪でさらに危なっかしくなるあの道を 登って明神平まで行ったのでしょうか?う〜ん、謎です。 今回の薊岳〜明神平の地図は こちら(約140k) でごらんください。 |