とんがり山〜西寺山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『篠山』、『谷川』を参照いただくようお願いいたします。

2001. 3. 3.  土曜日  晴れのち曇り  気温ちょっと寒い
篠山市今田町には寺の名前が付く山が三つあります。『西光寺山』『和田寺山』『西寺山』の 三つです。これを私は勝手に今田三山と呼んでいます。前の二つは同じ名前の寺が実存します (しました)が、西寺という寺は地図上では見当たりません。あるのでしょうか? 今回今田町四斗谷のとんがり山からの縦走を企ててみました。MTBは乗れないどころか 荷物になるのは判っていたのですが、年を摂るとどうしても変なこだわりができてくるものです。

四斗谷集落へ向かう県道途中にあるスペースに車を停める。MTBを準備して8時15分スタート。 この先の井根口池から見るとんがり山はどう逆らっても絵になるので悔しいが写真に撮ってしまう。 前日に登り口を調べ損ねたのでいい加減にMTBを走らせていると、とんがり山が真横に見えるように なってしまった。あわてて地形図で確認すると集落の西の谷から中腹にある寺院マークまで 点線ルートがある。行き過ぎているので引き返し、まずはそこまで登ってみましょう。

木製の鳥居の横に薬師堂があり、苔むして判読不能の石仏、石塔があった。鳥居をくぐり抜け 林道のような参道を登っていく。途中に『南無妙法蓮華経』と彫られた大きな石柱が三基あった。 その先道は細くなり、山の神を祀った小さな祠もいくつかある。そして地形図にあった寺院マークは 妙見宮であった。9時50分。しかし今は石垣が残るのみ。そういえば先ほどの薬師堂の上にも 妙見宮があったのでここにあったのが降ろされたのでしょう。

この時は気づかなかったが、この『南無妙法蓮華経』と『妙見宮』がキーワードになる ある事柄がある。とりあえずこの妙見宮跡からの登山道を探る。周囲をうろついてみたが 結局はこの裏手の尾根に取り付くのが正解で左手に登り口がある。程良い幅ではっきりした トラックが続いている。右手には白髪岳が良く見える。急登りから一旦平坦になり、最後の登り が待ちかまえている。(この地点、左右からの踏み跡あり)左から回り込むようにして 登っていき、岩や木の枝がうるさくなるとまもなく頂上である。

頂上着、10時25分。標高620m、三角点無し。ほとんど壊れかけた祠があり、中に『南無妙法蓮華経』 と書かれた札がある。5人ほどが座ればもう満杯になってしまうほどのスペースしかない。 しかし周囲の展望はなかなかのものがある。東には向かい合うように白髪岳とその奥に松尾山。 双眼鏡を取り出して見てみると、白髪岳の頂上にある標識が見える。おもしろくなって次々と 覗いてみると、佐仲三山の夏栗山頂上の展望台、西光寺山頂上に立つハイカーなどが見えた。 数え上げればきりがないほどの山名が同定できる。
井根口池から見るとんがり山祠のある頂上

とんがり山と聞いていたこの山だが、枝に巻かれたテープには『丹波槍ヶ岳』、枝からぶら下げられた プレートには『いかり山』とあった。さらにこの祠の横手にはなぐり書きで『妙見山』とあった。 ここでハタと気が付いた。中腹に『妙見宮』があったからには、この山が『妙見山』と呼ばれても なんの不思議もない。さらに『能勢の妙見山』は日蓮宗(南無妙法蓮華経)の霊場である。 この一致は偶然ではなくて、案外ここは能勢の妙見宮の末社だったのではないでしょうか? 一度村の人に聞く必要がありそうです。
東には白髪、松尾の両山

このHPをご覧の人なら何度かお聞きのことと思いますが、『妙見山直列』という現象があります。 『能勢の妙見山』と『多可郡中町妙見山』を結ぶ直線上に『多可郡黒田庄町妙見山』があるというものです。 これは慶佐次盛一氏の『兵庫丹波の山』に書かれていたのですが、その後の私独自の調査では 氷上郡山南町にある妙見山(464m)もその直線上にありました。そして今回このとんがり山 (今田町妙見山)も家で確認すると・・・・、まさかとは思いましたがここもその直線上にある ではありませんか!これで5つの妙見山が直列したことになります。
西方面の展望もすばらしい

11時05分とんがり山を下山。西向けに足場の悪い急下りを少し下るとすぐに分岐となる。 それを左に取るとようやく緩下りになって乗車可能となる。細いトラックを自在に下れると おもわずバンザイと叫びたくなる。一旦鞍部らしき所に出るが、小さいピークを越えて Ca.445mの峠となる。左右にハッキリとした道があり、黒石、四斗谷のどちらへも下れる。

ここから西寺山の山域になる。一気に100mほど急登りをこなすとCa.550mの分岐ピーク。 ここは伐採されているのでかなりの展望がある。西光寺山もずいぶんと大きくなったし、 西寺山はもう目の前である。お昼も過ぎたのでここで昼食をしようかと考えたが、 もうひとふんばり登ることに決めた。

道ははっきりしているが狭いのでよくMTBがひっかかる。そのたびに担ぐ肩に加重がかかるので 久々に肩が痛くなった。すると前方から歌を歌いながら単独ハイカーがやってくる。 この山でハイカーに出会うとは思わなかったが、鼻歌混じりに歩くとはなかなかの御仁と見た。 私とは逆方向に辿っているようだが、どこから登ってきたのかくわしく聞けば良かった。
西寺山頂上

西寺山頂上12時55分着。標高646.2m、三等三角点。ようやく昼食にありつける。 大きな山容にも関わらず頂上はとんがり山と同等の小さいスペースだった。周囲は木立で 展望はない。しかしさほど寒くもなく快適に過ごせた。この山頂を含め今回の山行きでは 低山徘徊無線部各局とも繋がり、移動地の情報交換が出来た。W.M.さんは氷上郡の高見城山を 下山。かねちゃんは篠山市の大タワスタートで小金ヶ岳〜八が尾の縦走途中。 こちらは後は下山あるのみ。「早く降りられると思うので八が尾まで迎えに行くよ」と無線で かねちゃんに告げて13時30分下山開始。

下山ルートは二つある。西方向と南東方向。西方向に下るつもりだったのに、気が付いたら 南東のルートに飛び込んでいた。どちらの尾根もこの先、お互い平行を保って南に下るようになる。 ちょっと覗くつもりで入り込んだのだがもう引き返せない 所まで来てしまったので「行ってしまえ!」と腹をくくって降り続ける。

MTBは完全にお荷物状態。木が邪魔になるので先にMTBを滑り落としてから身体をくぐり 抜けるといったことを何度も繰り返して降りていく。木のあいだから見える西の尾根は緩やかで、 あっちのルートだとどうだっただろうか?とこちらを選んだのをくやしく思う。急下りが長く続く。 この猪道を辿れば474mピークへ行くとばかり思っていたのだが、いつの間にか尾根も外れてしまい 踏み跡も無くなった頃、今度はガレガレの岩斜面が現れる。とりあえずどんな所に出ても 下るしか無いので岩を蹴落としながら下ると谷にでた。
以前は林道だったのでしょうもちろん飛び越えることは出来ません

道にも見えるが現在は完全に崩壊して大きくえぐれたところもある。そうでないところは木が生えて いるので林の中の空間といった感じである。木の枝を払いのけながらやけくそ気味に乗車する。 路面の岩も前輪を取られそうで油断できない。里も近くなり道はしっかりしてきてやれやれと 思う頃今度は崩壊した橋が立て続けに二つ現れる。二つとも川底まで降りて登り返す。 小学校が現れ終点となる。14時35分。ここからは県道を走り5分で駐車ポイントへ。

西寺山からの下山道は不本意だったが、放射状に延びる多くの枝尾根があるので 良い道もあるかもしれませんし、無い場合は長いヤブ道が楽しめそうです。 思い切って白髪岳から尾根伝いにとんがり山までってのはどうでしょう。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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