千草山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『市島』を参照いただくようお願いいたします。

2001.11.17.  土曜日  曇り  気温ふつう
今年の4月にMTBで観音寺山に行きましたが、帰路に設定した山域が『巡礼尾』と 呼ばれる道だったことをその時知りとても興味をおぼえました。今回は天田郡三和町側から この『巡礼尾』を辿ってみることにする。それだけなら歩きでもよかったのですが、長年使用して くたびれてきたMTBの主要部品をこのたび交換したのでそれのテストも兼ねてです。

市島町から県道をたどり戸平、草山と車を走らせる。この辺りは低いながらも全方向を山に囲まれた まさしく山里である。その里山に不釣り合いな『富草』という粋なレストランがある。いつも 気になっているのだが汚い格好なので素通りして入ることが出来ないでいる。このすぐの道脇に スペースがあるので車を停めてスタート・ゴールにする。

MTBを屋根から降ろし、トランクから前輪を取り出すとなんとパンクしていた。 しかもバルブ部分のパンクなので修理が出来ない。エマージェンシー用のチューブを使用するので 山でパンクするとこれ以上の予備も無くはやくもやばい状態。10時40分。

ここから郡境尾根に向かって延びている谷の中程には『小路』という字もあるが、人家があるのは そのレストラン付近の数戸だけで、その『小路』付近には廃屋だけが点在しているだけだ。 今はそんな寂しい谷だが、民家に残っている古地図(その家のおじいさんが手書きで書いている)を 見せてもらったことがあるが、それにはそれぞれの支谷の名前から、鉱山跡、そして『巡礼尾』 の記述もあった。

交換したばかりのMTBのシフト感は絶妙でメカの進化に驚くばかりである。ふと前方を見ると 猟犬が一匹と二人のハンターが下ってくる。品の良い紳士風。またまたやばいか? 話をしてみるとまだ午前中なのに早くも店じまいのようだ。山道の状態を聞いてみるが 山を自転車で走るという想像が出来ないらしくて的を得た返事がもらえなかった。
廃屋の続く谷地形図にもある行者堂

コンクリートで護岸された小川に小さな橋がいくつかかかっているがその向こうには廃屋が点在していた。 それらをパスして終点に。ここからは植林内の山道となる。谷道から右岸の山腹を少し上がると 崩れそうな石垣とそこに木造のお堂があった。地形図通りである。11時05分。

内部はガランとしてほうきが一本床にある。奥には行者の石像があるので行者堂だろう。 誰も詣る人はいないのだろうか?お堂の左手奥には小さいながらも滝があるようで 岩盤を滑り落ちる水音が聞こえている。お堂の右から続いている道を登っていく。 このまますんなりと峠まで行けると確信していたがいきなり道が無くなる。やばい。

途中で右手に踏み跡があったのかもしれない。引き返せば良かったが尾根はすぐそこだと 確信があったので無理矢理ヤブの急斜面をよじ登る。昨晩寝違えたのか首が痛くて MTBを担ぐのが辛い。思った通りに尾根に出る。出た場所もだいたい思った通り。 11時25分。
境界尾根の道
下ると当初予定の峠です
その後も良い道が・・
ただし倒木が多い

ここにMTBをデポして歩きで千草山とは反対方向の381mの三叉路ピークへ。 ここから左右にある道はどちらも兵庫県と京都府の境界尾根になる。右は観音寺山から 市島町の高谷山(横峰山)へ続いている。左は戸平と草山の境界だが一見すごく良い道でMTBで 下ってみたい衝動に駆られそうだ。

引き返してMTBで千草山方向へ下る。すぐに鞍部に出るがここが当初予定の峠であった。 地形図では点線で両町が結ばれているがそれらしい道はまったくない。これでは行者堂から 迷うはずだ。変速は絶好調だが前ブレーキがいただけない。キーキーと音を立てるのだ。 まだ当たりが出ていないからか?聞きようによっては獣の鳴き声のようでハンターに ねらわれないか不安になる。やばい。

登り返すと小さなアップダウウンが続く。ここも倒木さえ無ければ超快適な シングルトラックである。この時点ですでに『巡礼尾』をたどっているハズだが それらしい遺物、石仏等はまったくない。 まことに残念。Ca.260mピーク(bXの標石あり)も三叉路になっていて、 右の草山方面の支尾根も良い道があった。
やっぱ下りは最高やね

倒木のない下りだったので一気に駆け抜けようとしたが右手に石造りのなにかが 視界を横切る。キッーとブレーキングして停まるとそこには石仏があった。ただし 裏向けになっている。向こう側にまわって見ると前回見たと同じ巡礼尾独特のスタイルをした 地蔵菩薩であった。

石仏の正面にまわってわかったがここにも薄い踏み跡がある。どうやら巡礼尾は境界尾根に きっちりあるのではなく、あるときは尾根の左右に巻いている時もあるようだ。 今日のツーリングではこの一体しか見つけられなかったが、歩きでじっくりと時間をかければまだ 発見出来たかもしれない。

12時15分千草山、三等三角点、標高333.2mに到着。巡礼尾は山頂を通過せずに左ちょっと下 に巻いているのが見える。この小ヤブの頂上でお昼にする。風が通らないので 全然寒くないので助かった。この山頂からちょっと下ったところに三叉路の分岐がある。 左は前回大内山田から登ってきた道、右は今まで通りの境界尾根で大内峠へ下る。 その峠へは12時55分着。

ここから右の寺尾山田に降りたら前回のゴール、今回は左の大内山田に降りるべく道を探す。 寺尾には明確な道があるのに大内はまったくのヤブ状態でいかんともしがたい。 未練がましく数十分悪戦苦闘するがとうとうあきらめる。予定を変更して境界尾根を 引き続き歩くことに。
ひゃっほ〜見上げると里山らしい紅葉

今までの乗車率20%ほどか。ほとんど邪魔者状態のMTBだが下山後デポ地までは ハイクの人達には想像できないほど大活躍するのだ。それをがまんに尾根の踏み跡をたどる。 276mピーク手前から大きく右に折れ曲がる。その後も倒木を避けながら進んでいく。 地形図に書かれている寺尾山田への点線ルートはあるだろうか?

196mピーク手前で確かにそれはあった。このまま進んでいけば万灯山(320.6m)だが、 気力も萎えているのでこのルートで下山する。植林内の細い道は途中から林道のようになり 目の前に小屋も様なものが見える。近づくとそれはホダ木を組み上げてネットをかぶせたもの。 あまりに大がかりで小屋に見えたのだった。そのまま民家裏から舗装路に出ると畑で仕事していた人が 驚いて見ている。『富草』へは14時25分であった。

○は踏み跡明確。×は道無し



それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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