親不知〜鴨内峠

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『黒井』、『福知山西部』を参照いただくようお願いいたします。

2001.10.27.  土曜日  曇り  気温ふつう
4年ほど前に親不知に登りました。この時もMTBでしたが大原神社からの ピストンだったので距離も短く、充実感にはほど遠いって感じでしたので、 今回はその時のコースをバージョンアップしました。大原神社から親不知に登り、 境界尾根を伝って鴨内峠まで縦走を楽しもうという魂胆です。

駐車ポイントはゴールである鴨内峠を市島町側へ降りたところ。ここは五台山の市島町側から の登山口でもあるので駐車できる広場がある。弘法大師の 大きな石像があり『狸穴の水』と呼ばれる名水がこんこんと湧いている。私以外に 車はなかったが何台かが立て続けに水をくみに来た。なかなかの人気である。

ちょっとあわて気味に用意をする。というのも道中の下界は霧がすごかったからである。 早く登ると雲海がまだ残っているかもしれない。MTBにまたがり一旦舗装路を下って 左に大きく曲がり徳尾の大原神社を目指す。道すがら数体の石仏を愛でながら漕いでいくと 大原神社への車用参道というのに出会う。

そいつを無視して正面をちょっと行くとそこにも大原神社という石柱があり、石の階段と その奥に鳥居がある。地形図で確認すると点線でストレートに本殿へ向かって道が書き込まれている。 こいつを登ってみよう。
大原神社登り口狛犬二体。これの奥が登り口

鳥居の奥には鹿除けの金網が張り巡らされ『あけたらしめる』と書かれた扉がある。 それを開けて登っていく。道は広いがもう誰も利用している様子はない。参道らしく 大木がいくつもある。すぐに舗装路に飛び出す。そのまま舗装路を少し登ると本殿前の広場に出る。 9時45分スタートで10時20分。雲海はわずかに残っていたがそれももう晴れようとしていた。

真新しい狛犬が一対。こいつは普通のあうんの獅子像。その手前のはパッと見きつねかと思ったが 狼の狛犬であった。狼狛は聞いたことはあったが初めて見た。この本殿右奥が登山口となる。 標識はないが行者の石仏と大柿赤布が目印だ。

杉植林の谷を登っていく。ところどころ炭焼き窯の跡がある。この辺りは記憶がまったく 残ってなく、こんなとこ歩いたかいなあ?てな感じ。とりあえずマーキングを見逃さないように する。やがて右の支尾根にとりついて それを登ることになる。案外の急登りで汗が噴き出してくる。TVのアンテナ施設があるが ここから五台山が良く見える。ちょっと一休み。
植林の谷を登る広い尾根

このTV施設は境界尾根までのほぼ中間ぐらいにある。したがってまだまだ急な登りは 続く。一人だとグチを言う相手もいないので余計に疲れるように感じる。ようやく福知山市、 市島町の境界尾根に着く。地形図を見ると537mのピークで親不知は目と鼻の先だ。11時ジャスト。

「あれっ〜?前回こんなのあったかなあ?」ここには崩れて石の基台しか残っていない祠跡と 小さな石の手水鉢があった。写真に収めて先を行く。モミの大木がある広い尾根は倒木さえ 無ければMTB向きの尾根である。次のピークはぐるっと回り込んで左に曲がる。 あっというまに親不知頂上に到着する。11時20分。三等三角点、標高604.6m。

ここの三角点は悲惨な状況にある。地面のちょっと上の部分から折れてしまっている。 補修されてくっついてはいるが、誰がこんなことするのか、世の中バカが多くて困る。

北方面は植林が背丈を伸ばしたので見えにくくなっている。それでも三岳山、大江山、 福知山市街地のバックに烏ヶ岳、鬼ヶ城が大きい。遙か向こうには双耳峰の青葉山も見えた。 南は雲海明けのもやの中に市島町の高谷山をメインとして多くの山々があった。
市島町方面を見る

昼食を食べ、無線オカリナを楽しんでいよいよ縦走を開始する。12時半。 まずは537mの手水鉢ピークまで引き返す。登りの際左に回り込んだピークは要注意。 正面の尾根(徳尾に下っている)にもマーキングがされているので、気を付けないとついつい 直進してしまう。

手水鉢ピークよりいよいよ未知のルートとなる。単独の時は周囲に注意を張り巡らせ 分岐を見落とさないようにしなければ行けない。地形図の『黒井』、『福知山西部』を 張り合わせた部分の分岐がこれまた要注意。いったんピークを通り過ぎて山腹を左に 回り込む(赤テープあり)。この縦走尾根は大きなアップダウンがないのでどこも 似たような感じで現在地点の確定が難しい。

登りはともかく下りは案外乗れる。ほとんど押しか担ぎを想定していたのでこれはめっけもの であった。残念なのは展望がまったくないことである。どこかのピークで開けたところが あるかと期待していたが、それは終盤近くまで望めない。MTBなら下りシーンで楽しめるが、 歩きなら周囲の景色に変化がないので飽きてしまうだろう。
案外乗れますヤブはありません

14時20分。四等三角点ピークの曼多良(まんだら)に着く。 山のガイド本にはクロイシ山となっているが、この山域が山岳宗教色が濃い所から この点名の方がぴったりだと思う。

曼多良でおやつを食べてオカリナで遊ぶ。ここは三叉路になっていて、ここまでの市島町、 福知山市の境界から市島、青垣の境界へと進路を変更する。すぐにこんどは市島、氷上の 境界と、地形図上ではめまぐるしく変わるが実際は赤テープさえ追いかければ大丈夫。 ついでに言うとここからは中央分水嶺を行くことになる。

その市島、氷上の境界になった地点でようやく展望が開ける。ここからは間近になった 五台山が逆光にシルエットを落としている。五台山は山頂部分をスッパリと切り取ったように 水平の台形なのが特徴的だ。はるかには篠が峰から粟鹿山までが望める 最初で最後の展望地点であった。
おぉ!五台山が見える最後の下りを楽しむぞ

曼田良から鴨内峠まではほとんど全乗りの下りである。ただし途中の左に下る 植林尾根に誘われてはいけない!地形図をよく見て右の細い尾根を辿ろう。 ボブスレーコースの超楽しい下りもすぐに終了になって鴨内峠に降り立つ。 14時55分。途中無線をしたり、休憩したりで案外時間をくってしまったが、 普通なら2時間かからないだろう。

鴨内峠は県道あつかいなので『市島町』、『氷上町』の仰々しい標識があるがその場には似合っていない。 ここからさらに尾根を行けば五台山。右に下れば氷上町。左に下れば市島町で駐車ポイントの 登山口に降りられる。では下るとしよう・・・・。ここには石仏はないが最初のコーナーに ある。これも注意しないと見落としてしまう。

峠から登山口までの下りも全乗りである。終始ブレーキを握ってなければいけないので 腕が突っ張ってくる。長い下りに感じたがわずか10分で駐車ポイントに到着。 MTBならではの俊足下山である。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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