直谷渓谷〜大持山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1『但馬新井』を
参照していただくようお願いいたします。

2001.10. 7.  日曜日  曇り  気温涼しい
土曜日は綾部の三郡山でMTB遊びに興じたので今日は近場でちょっと軽めのハイクをする。 場所は今年通い詰めている生野。銀山湖から黒川へ行く途中に左手を注意すると『直谷渓谷 (直谷不動尊)』と標識がある。道端に車を一台止められるスペースがある。この渓谷は 終端まで林道というのは知っていたので面白みはないかも。鎖ゲートがあるので一般車両は 入れない。9時5分。

林道を歩き始める。左手の渓谷は涼しげであの中を歩けたらなあと思う。りんどうの 大きなつぼみが重たげだった。咲くときれいだろう。あけぼの草も小さな花を開いていた。
大きなつぼみ

直谷不動尊というのがどこにあるのか判らなかったが、歩き始めて10分ほどでその 標識があった。左の渓谷を降りていく。大きなトタン小屋がある。中を覗いてみると 木の床が敷かれていて川の方角の壁がなく、川が丸見えになっている。なんだか 舞台のよう。

奥には滝がある。さほど大きな滝ではないが、中ほどに小さな石の祠が見える。 滝の落ち口は倒木で塞がれた格好になっていて景観を損ねている。 細い木の橋が架けられているので祠まで行ってみる。滑りそうな岩を登っていくと 祠の前には日本酒が数本供えられていた。中には不動明王座像の石仏がある。 表面が苔で緑色なっており、表情は判らないものの雰囲気は良い。

水量が多ければ飛沫がかかりそうなほど滝はすぐ横にある。滝を見て気が付いたが 大きな甌穴を発見。直径40cm以上はあるだろう。しかもきれいにくり抜かれたように なっている。足元をふと見るとヒルが這い上がろうとしていた。
小振りな滝です甌穴を拡大してみる

残念ながら長居はできないので先を急ぐ。林道に戻って10mほど歩くと 関電巡視路の火の用心マーク。滝の落ち口から西に登っている。その滝の落ち口を覗いてみる。 倒木がダムのようになっていてゴミ、石等が溜まっている。今にも崩れそうで 近づくのが怖い。渓谷の雰囲気もここまでで、これからは単なる林道歩きと化す。 風情はないが距離は稼げる。

続けて東に登っている巡視路。今日はこれを下山道に設定する。さらにどんどん林道を 詰める。Ca.550m付近で分岐になる。大持山に行くつもりなので右を選択。オレンジ色の ゲートをすり抜けると正面に大持山の特徴ある山容が見えてくる。大持山の西斜面は 伐採が終わり、新たな苗木が植えられた直後で一見草原風に見えるのだ。

広く明るい谷なのでここらはヒルの心配なない。道端に座り込んでおやつを食べる。 ここにも火の用心マークがあって、ここから登れば山頂は楽勝だが林道の終点をきわめてみたい。 終点間近はガレの急登りとなる。ほとんどまっすぐの林道だったが右にターンして終点。

ここから鹿除けネットを越えて植林内を登っても良いがジメジメしかも暗い。林道をちょっと 引き返すとコーナーの谷にもゲートがあって、そこからの方がよさそう。さっそく入り込んでみると 思った通りで歩きよく、しかも明るく開けた道となる。ここが見えていた幼木の植えられた斜面だ。
谷を振り返ってみる

こっちへ歩くのは間違い。でも撮影のため少し歩いてみる

風も涼しく、景色もだんだんと広がってくる。振り返ると思ったより長い谷だったと実感。 ジグザグに登ると、上の写真のように山腹を巻く仕事道と合流。方向違いだがもっつい山方向へ 歩いている格好をセルフで撮してみる。Uターンして大持山を目指す。 足元には開きかけたりんどうとコシオガマの花が。
コシオガマ

この道は水平なのでいつまでたっても山頂には行けない。頃合いを見て山腹を駆け上がる。 ドンピシャで三角点に着く。10時50分。三等三角点、標高822.5m。鹿除けネットの手前にあり、 ほとんど地面に埋もれているが、まったくの無傷である。ここからは鹿除けネットと 雑木に覆われて黒川ダム方向は全く見えない。ネットを乗り越え、草むらに座って 展望を楽しむ。粟鹿山は雲に覆われている。ちょっと早いがここで昼食。

下山はこの水平道を利用して南下するのが正解。すぐに奥多々良木bVの鉄塔を過ぎ、ネットの 扉をくぐることになる。ここまで10分ほどだと思う。私はへそ曲がりにもネット沿いの 尾根道を選んだためクモの巣と格闘しながらネットも三度乗り越える難路だった。 最後は笹のヤブを突破すると先ほどの水平道に飛び出す。
水平道を歩くのが正解だ

左は植林、右は雑木の尾根道。先ほどまでの明るい道と違ってちょっと薄暗い。 リスが一匹木から木へ飛ぶように移動している。カメラで撮そうと構えてはみるが 速すぎてどうにもならず目だけで楽しむ。765mピークの鉄塔に12時5分着。
765mピークから振り返る

加美町の西雄岳からの送電線がこれに繋がっているのがここからだとよく確認できる。 頭上の送電線はブーンとうなりをあげている。真下にいるのがなんだか怖い。 ここから643.1m三角点ピークを目指す。そのピーク手前に下山に使用する最後の 鉄塔があるのだ。

地形図を見る限りこれもお手軽ハイク程度の道かと想像したがさにあらん。 下り始めた巡視路は廉野へ下っているので間違いと気づき引き返す。 両鉄塔はそれぞれ系統が違うので、間に巡視路は通じていないとわかる。しかたなく 見当を付けて雑木のヤブに入り込むとそこが正規の尾根だった。ここも急下りの連続なので ルートを見極めるのが非常に難しい。

雑木のヤブからやがて赤松の林に入る。大きな牡鹿が目の前を横切っていく。 ここは獣だけで人間の歩いた痕跡はほとんどない。大河内線bR9に12時55分着。 地形図だけではたやすく思えたが、数カ所迷いやすいポイントがあった。 地形図とコンパスだけでは判断が難しく、ある程度の経験と勘がものをいう。 ルートファインディングに自信のある方には楽しめるところです。
大河内線bR9

ここからは巡視路で簡単に下山できる。不動尊にほど近い林道までわずか数分である。 実はヒルがいやだったので走って降りた。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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