観音寺山

はじめに:このレポートは国土地理院発行、2万5千分の1
『市島』を参照いただくようお願いいたします。

2001. 4. 1.  日曜日  曇り  気温ちょっと寒い
この『市島』の地形図を眺めていたら緩やかな下りで延々3kmほどにならんとする 点線ルートがあった。ほんとうにそんな道があったらMTBでは最高の道と言える。 その起点となるピークも観音寺山と山名も判ったので雪もなくなるこの時期を待って 行ってみました。

三角点もなく、地形図には標高表示すらないので判りにくいですが、高谷山の東、 妙高山の北、氷上郡と福知山市の境界尾根の1ピークです。この辺りでは高谷山に次いでの 標高があるので里からはわかりやすいピークになっています。

市島町の役場から東に、舞鶴自動車道をくぐり戸平の集落へ抜ける戸平トンネル手前の 小さな公園に車を止める。MTBを降ろす前にちょっと寄り道をしてみる。この戸平トンネル 上部にある戸平峠を訪れようというものだ。登り口はすぐに判った。道の状態はすごく良い。 角度がよいのか篠が峰の頂上が途中で見えた。驚いたことに街灯の残骸が一定の間隔で 残っている。改めて路面を見ると木の葉と苔の下は簡易舗装のようである。 道理で歩きよいわけである。

道幅は軽トラックならぎりぎりぐらい、でもコーナーは曲がれないと思う。10分ほどで峠に着く。 峠には石仏はなかったが井戸跡があった。ひょっとしたら村人はここで喉を潤したのだろうか。 南北両方に取り付きあり。南へ登れば虚空蔵、北へ登れば今回の目的地観音寺山へと続いている。 2匹のウグイスが競い合うように鳴きあっている。そんな静かな峠に街灯が奇異な雰囲気だ。

そのまま戸平へ下ってトンネルをくぐって公園に戻る。トンネルにあった銘板には『1990年 8月』とあったので、それまではこの峠は現役だったのか!と色めきだったが、実はこのトンネル は改修されたものであって、トンネル自身は古くからあったらしい。その改修のあいだだけ 峠が復活していたそうだ。といことは先ほど歩いた峠道も昔からの道とは違っていると思う

MTBを準備して公園から一旦西に下る。コーナーに工場があるのでその横の林道に入る。10時15分。 地形図にある点線である。すぐの分岐を左に。車でも充分に走れる幅の林道なので ちょっとがっかりする。しかしそれはすぐに歓喜へと変わる。林道の終点には苔に覆われた大岩があって そこには不動明王の石仏があった。シキミは枯れてしまってここ最近の参拝者はいないようだ。 小憩を兼ねて写真を撮る。
戸平峠にて林道終点にある不動明王石仏

ここからは山道らしくなるがすぐに行き止まり。踏み跡らしきものはあるが 猛烈な倒木のためMTBと同伴では絶対にこれより先には進めない。 林道まで引き返せば西の支尾根に登るソマ道があるのでそれを利用すれば良かったが めんどくさかったので急斜面をよじ登る。じっと立っていることが出来ないような 斜面を3歩登って2歩下がる。10時50分支尾根に立つ。

雑木の支尾根に道はあった。一息ついて北にあるCa.360mの四差路ピークへ向かう。 この辺りからは妙高山、鹿倉山が見え、遠くに大きく三嶽がそびえている。 四差路ピークから次のピークを越えると兵庫・京都の境界尾根に乗れる。 しかし地形図の点線ルートはそのピークを巻いている。たしかにヤブのひどそうな ピークなのでその巻き道を探すことに。かすかに植林の斜面に獣道のようになった 踏み跡があった。 途中に倒木もあるが、乗り越えながら境界尾根の鞍部に近づく。 もうよかろうと尾根に乗るがヤブはきつい。

舞鶴自動車道の丹波第二トンネルの真上辺りが岩妻峠。11時35分。 細い尾根の小さな峠だったがお約束の石仏はあった。石室の中に地蔵菩薩立像。 彫りやすい凝灰岩ではなくもっと堅そうな石で出来ている。像の左右には それぞれ『すぐをうら すぐまえ』と彫られていた。道のありようを示して いるのだろうか?福知山方面は道不明、 市島方面は明確な道(たぶんトンネル付近に降りる)が下っていた。

標高373.8mの四等三角点(点名 上牧)には11時45分着。ここは登りの 途中で最高地点ではない。頂上にはちょうど12時に着いた。観音寺山、Ca.410m。 雑木の中の小さなピーク。三叉路になっていて今来た道の他、西方向(高谷山)への 下りは広くはっきりしている。そして長い下りが待っている北への道。
岩妻峠にて観音寺山頂上
MTBは北ルートを向いている

昼食を済ませ、無線をするがまったくダメ。オカリナを吹くような雰囲気でもないので 目的の尾根下りをスタートさせる。12時25分。写真の道の先には二手に分かれて どちらも下っている。地形図に従って右手を選択する。倒木やら道悪やらでなかなか乗れない。 『境』と彫られた石柱がある分岐は左、次の石柱も左、三つ目を右。ここからがんがん 乗れるようになる。MTBぎりぎりの幅で落ち葉の積もった、しかも適度にテクのいる道だ。

地形図通りずっと下りっぱなしで1km。今までの苦労が報われる。赤テープやハイカー の形跡もないのがさらにうれしい。標高点229mあたりからちょっと乗れなくなって三角点 ピーク秋葉山に到着。13時25分、四等三角点、標高242.7m。

三角点から北へはさらに進みにくそうだったので40mほど東にある鳥居マークに行ってみる。 そこには秋葉宮の祠があった。祠と言ってもブロックを積み上げて中には愛宕神社の札が あるだけの質素なものである。ここから東の集落、大内山田への参道を下ることにする。 ここも落ち葉のシングルトラックである。しかもすごく急で階段もないので面白いこと!! 油断すると大前転まちがいなし。
秋葉山山頂巡礼尾入り口にある石仏

ここから、東の山塊を抜けて三和町から戸平へ帰りたい。地形図を見ていただきたい。 この山塊には大内山田と三和町を点線ルートで結ぶ三つの峠があり、舞鶴自動車道は 小さなトンネルをくぐり抜けることでパスすることが出来るようになっている。 はたしてどの峠が通れてしかも面白いか?近くの家を訪ねて聞き回る。

その内の一軒でおじさんの言うにはこの三本のどれでもない「『巡礼尾』という道を 行きなさい」と言う。その入り口に案内してもらう。入り口には石の灯籠と地蔵がある。 石碑もあってそれには『左 くさやま  右 加もの庄』とある。ここの位置から考えて 山中のどこかから降ろしてきたものだと思う。入り口からちょっと入ったところにも 地蔵の石仏がある。

表情がとてもかわいい!しかも巡礼尾の方へ指を指して案内をしている。(入り口の 地蔵もよだれかけをめくると同じ手の形をしていた)この道を走りなさいとでも 言いたげな表情である。おじさんと別れて進んでみる。案の定高速道路に分断されて、 向こうへ渡らないとその先は進めない。

戻って村の奥に進んでいくと砂防ダムの横に『巡礼尾 みつわら谷』と看板があった。 それに従うと地形図にないトンネルで高速道をくぐることが出来、さきほどの巡礼尾の 続きと思われる階段に遭遇。それに従って登っていき15時に尾根に着く。15分ほど うろついて自分の位置が確認できた。333.2mの三角点ピークよりちょっと北の地点。

お腹が減ってほとんどグロッキー寸前であった。そうなると三つの峠の内、真ん中を選ぶのが 一番近そう。尾根はMTBでも下れるほどの傾斜だったので簡単に峠に着いた。 下山後寺尾山田の人に聞いたところ、この峠は大内峠と言うそうである。 そしてこの峠にも石室と石仏があった。弘法大師の石仏である。この『巡礼尾』は この峠から333.2mの三角点を過ぎ381mピーク辺りまでの尾根を指すそうだ。 昔は石仏がたくさんあったそうだが、埋もれたり壊れたりで数体しか残っていないらしい。 『巡礼尾』を訪れたいという意欲がむくむくと湧いてくる。
大内峠にて寺尾山田に降り立つ

15時25分に里に下りた。あとは戸平までサイクリングだが、沿道の石仏を眺めたり 村人と話をしたりで公園に帰り着いたのは16時25分であった。

それじゃあみなさんも「山であそぼっ」(^o^)/~~~


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